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活動報告report

介護老人保健施設デイケアでの音楽療法活動              文責:宮島活動報告写真

 実施日:2013.5.8

 5月8日(水)に介護老人保健施設にて音楽療法活動を行いました。 実施時間は1時間で、参加者は約20名。今回で5回目の活動となります。参加メンバーは前川、宮島、Aさんと初参加のBさんの計4名です。 Bさんには初回でしたが、終盤の「茶摘み」、「お座敷小唄」、「隣組」の3曲、アコースティックギターで伴奏に加わっていただきました。当初、Bさんには私(セラピスト)の斜め後方でギター伴奏を一緒に行う予定でしたが、譜面台を忘れてしまい、急遽一番前のテーブル席で譜面を置いた状態で伴奏を行っていただきました。この場をお借りして重ねてお詫び致します。

 さて今回はデイケア利用者対象となりまして、配置はいつもと違い、テーブルにお茶やお菓子を置いた状態で、テーブルもある程度間隔をあけ、椅子も正面側には置かないという形で、その名も「歌声喫茶」と施設スタッフの方に付けていただき行いました。

分かりにくいので、下記に図で示します。

こちらで予定していた改訂版の曲目プログラムがありましたが、参加者用の歌詞ファイルを施設のほうで用意されていたため、その歌詞ファイルの曲順に合わせて行いました。それでは曲目プログラムに沿って、実践の振り返りしていきます。

主セラピスト:宮島
コセラピスト及び楽器伴奏:前川、Bさん

主コセラピスト:Aさん

【挨拶、導入】
 前回から5ヶ月が経ちます。自己紹介をし、早速開始です。
※今回はデイケア利用者さまのみ対象となるため、マイク不使用で実施。
【準備体操、発声練習】
 前川氏主導にてキーボードの音に合わせて簡単に発声練習を実施。


@誰か故郷を想わざる

 1曲目としては、良い形で入れたかと思います。伴奏の際に楽譜を見る場面が多く、また長いのが目立ちました。また挨拶から導入、1、2曲目までの間で、どこまで参加者の皆様の興味を引くことができるか。以前もブログで書いたと思いますが、ここが上手く出来るか否かで、その後の展開がある程度決まってくるように思えました。もちろん、盛り上がる展開の部分で1〜3曲程度のアップテンポの曲があれば、導入部がどのような形であれ、2曲目、3曲目である程度盛り上がりを作ることは比較的容易ですが、その場合、楽しくなってきたと感じた頃に沈静部に入っていくため、参加者としては出端を挫かれる形となります。この形もケースによっては、有効かと思いますが、今回行った施設では展開部を長く、3:5:2(導入:展開:沈静)の割合が好ましく感じました。


A琵琶湖周航の歌
 前回も2曲目で行ったこの曲。ピアノはストリングス音で行いましたが、通常のピアノ音より音量が小さくなっていたように思います。この曲は2番まで行いましたが、2番は歌声も声の数も少なくなり、1番を繰り返す形が好ましいようでした。またこの曲を知っている人、知らない人がはっきり分かれる様子でした。


B知床旅情
 こちらは何度も行っています。今回は2番まで行いました。こちらは琵琶湖周航の歌とは逆に1番よりも2番のほうが、より声量も声の数もどんどんと大きくなる形でした。ということで、こちらの楽曲は導入部と展開部をつなぐ曲としてこちらの施設では最適な曲かもしれません。


C銀座カンカン娘
 こちらは1番を繰り返す形で行いました。こちらの楽曲はギターではバレーを使うコードが多く、伴奏ミスが連発しました。ピアノも難しいようでミスもあり、練習量の足りなさが露呈していました。伴奏者とは反対に参加者の皆様は大きな声でほとんどの方が元気よく歌われていました。こちらの施設では定番曲として展開部に。また2番まで行ってみても良さそうでした。


D瀬戸の花嫁
 こちらも1番を繰り返す形で行いました。展開部の最高の盛り上がりでした。こちらも2番まで歌えそうな様子でした。他の楽曲に比べ、高い音がでてきますが、高い音がでてくるところで気持ちよく歌われているような表情をされている参加者が多くみえました。ドから1オクターブ上のミまでのメロディーラインで、1オクターブ上のミ以上の音程が出てくる際はそれが連続しないというルールを工房では念頭に置いて、楽曲選びや音を下げて行っていましたが、次回は1曲だけ、流行歌の原曲で高い音がでてくる曲を試してみてもいいかもしれないと、この瀬戸の花嫁を歌っている参加者の皆様を見ていて思わされました。
 
またここからは私の余談になりますが、上記を受けて「高齢者が歌いやすい音域」という言葉について考えさせられました。確かにこの言葉は事実、様々な学術論文で立証されていることではあり、多くの方がこれに当てはまるようですが、当てはまらない方がいることを忘れてはいけないと思いました。私は活動の際、いつの間にかそのルールにそって選曲や音を下げるなど、当たり前のように考えて判断していましたが、その考えは個別性を理解した上で、歌いやすい音域があること。「高齢者だから、子供だから」それは可能性をセラピスト側が限界を決めしまっているように考えます。高齢者に対する音楽療法、子供に対する音楽療法、障碍児・者に対する音楽療法。さまざまなマニュアルがありますが、セラピスト側が対象者に対して限界を制限しないよう、活動を通して気付きと実践をしていきたいと思わされた1曲でした。


E北国の春
 こちらは2番まで行いました。こちらも瀬戸の花嫁同様、盛り上がりました。1番から2番歌いましたが、1番を繰り返しで1回目だけセラピストもフルで歌い、2回目は歌わない形。若しくは1番のみセラピストも歌い、2番を歌わない形で行ってみても、問題なく皆様歌えそうな様子でした。


F旅の夜風

 こちらは歌声もはっきりと、知っている方が多い様子でした。私は一度も「愛染かつら」をみたことがないですが、一度見てみたくなりました。
 また余談ですが、「オリジナルの3番の歌詞には「加茂の河原に秋長けて肌に夜風が沁みるとも」という部分があったが、霧島がテストでも本番でも「肌に夜風が沁みわたる」と歌唱してしまい、立ち会っていた西條も渋々承認したことから、それがそのまま定着した。戦後、藤原によってカバーされた際にオリジナルの歌詞で歌ったところ、「歌詞を間違えている」とファンからのクレームがコロンビアに殺到し、霧島と同様に歌うこととなった。(wikipediaより一部抜粋)」とあります。お座敷小唄の「ないじゃなし」と「あるじゃなし」に似ていますね。またまた、愛染かつらの完結編の主題歌の「愛染草紙」や続愛染かつらの主題歌の「愛染夜曲」、また「悲しき子守歌」も一度やってみたいです。


G椰子の実
 こちらは初めての曲となります。1番を繰り返す形で行いました。伴奏テンポが原曲と比べて早くなったこと。またギター伴奏がテンポをリズミカルに弾いてしまったため、明るめな雰囲気になってしまいました。ピアノはストリングス音で行いました。もう少し原曲の雰囲気をそのままに伴奏する必要がありました。


Hお座敷小唄

 こちらは2番まで通して行いました。Bさんも伴奏に加わり、ギター生音とピアノで雰囲気よく行えました。


I隣組
 こちらは4番まで行いました。初めて3,4番の歌詞で実施しましたが、皆様戸惑う部分も多少あった様子でしたが、声は止まることなく歌っていらっしゃいました。


J茶摘
 こちらは2番まで行いました。「トン・トン♪」の部分で、手拍子などをしてもらうよかったかと思いました。


Kリクエスト「瀬戸の花嫁」
 リクエストとして実施しました。こちらは参加者の皆様からのリクエストではなく、私たちから提案させていただきました。


Lリクエスト「花」
 最後に「花」を行いました。リクエストを募ったのですが、今回歌謡曲を中心にプログラムが構成されていたためか、ある方がリクエストしても、他の方が好まないなど、趣向があって決めるまでに時間がかかりました。
リクエストが出ない場合を想定して、好き嫌いが別れずらい童謡や唱歌を用意しておく必要も感じました。

以上です。
5回目となる音楽療法活動。
今回も多くの方にご参加いただき、 本当にありがとうございました。
また施設スタッフの方には事前に歌詞ファイルの作製やテーブルなどの配置をしていただき、スムーズな進行で楽しく実施することができました。
ひとえに、皆様のおかげです。

本当にありがとうございました。
次回もどうぞよろしくお願い致します


更新履歴                       

 過去の活動報告です。

活動実施日 タイトル 場所(URL)
2013.05.08 介護老人保健施設、デイケアでの音楽療法活動  
2013.02.23pm 予防デイサービスセンターでの音楽療法活動(全4回中4回目) ar2013_02_23pm
2013.02.23am 予防デイサービスセンターでの音楽療法活動(全4回中3回目) ar2013_02_23am
2013.02.19pm 予防デイサービスセンターでの音楽療法活動(全4回中2回目) ar2013_02_19pm
2013.02.19am 予防デイサービスセンターでの音楽療法活動(全4回中1回目) ar2013_02_19am
2013.02.07 介護老人保健施設での認知症高齢者における音楽療法の効果
ー音楽療法前後における認知面の変化についてー
ar2013_02_07
2012.12.23 新型特養での音楽療法活動 ar2013_12_23
2012.12.12  介護老人保健施設デイケアでの音楽療法活動 ar2012_12_12
2012.10.25pm 予防デイサービスセンターでの音楽療法活動(全5回中5回目) ar2012_10_25pm
 2012.10.25am 予防デイサービスセンターでの音楽療法活動(全5回中4回目) ar2012_10_25am
 2012.10.24pm 予防デイサービスセンターでの音楽療法活動(全5回中3回目) ar2012_10_24pm
2012.10.24am 予防デイサービスセンターでの音楽療法活動(全5回中2回目) ar2012_10_24am
2012.10.23am 予防デイサービスセンターでの音楽療法活動(全5回中1回目) ar2012_10_23am
 2012.09.25 介護老人保健施設デイケアでの音楽療法活動 ar2012_09_25
2012.08.06 デイサービスセンターでの音楽療法活動 ar2012_08_06
 2012.07.14 新規デイサービスセンターでの音楽療法活動 ar2012_07_14
 2012.07.07 デイサービスセンターでの音楽療法活動 ar2012_07_07
 2012.06.25 介護老人保健施設デイケアでの音楽療法活動 ar2012_06_25
 2012.06.02 デイサービスセンターでの音楽療法活動  ar2012_06_02 
2012.05.13 介護老人保健施設デイケアでの音楽療法活動 ar2012_05_13
 2012.03.17 名古屋音楽療法工房の初デビュー ar2012_03_17
 2012.01.05 勤務先の介護老人保健施設にて ar2012_01_05

名古屋音楽療法工房

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