本文へスキップ

活動報告report

老健デイケアでの音楽療法活動                    文責:宮島活動報告写真

 2012.06.25

 先日、6月25日に市内の介護老人保健施設にて音楽療法活動を行いました。
当日の曲目プログラムに沿って、個人的観点で実践の振り返りと分析をしていきます。

セラピスト:前川(キーボード、ベース)
コセラピスト:宮島(ギター、サックス)
コセラピスト:○○(キーボード)

  【紹介】

まず実施施設の職員さんから当団体の紹介をしていただきました。
その後、団体スタッフの紹介、本日のプログラムとおおまかな流れを説明。
このとき、私の声が聞き取りにくかったようで、スタッフの方からマイクの使用を勧められました。
これに対し、私の地声は声量を意識して無理に上げようとすると怒った口調に受け取られやすいので、自然な口調でお話ができるマイク使用で次回からは行っていこうと思いました。

  【準備体操、発声練習】

セラピスト主導にて深呼吸から始まり、発声練習。
今回から前川氏のピアノの音に合わせて、発声を行いました。
一般的なボイストレーニングと言われるものをイメージしていただくとわかりやすいでしょうか。
声を出しやすくするために行います。
(これまでは高齢者施設で行う一般的な柔軟体操と発声練習でした。)

  @四季の歌

ギターとキーボードで伴奏。
1〜5番まで。セラピストがボード回転と歌詞指示。
施設スタッフの方がホワイトボードの歌詞が見えない方用にA4歌詞紙を用意し、配布してくださいました。
私たちは参加者の聞こえづらさや見づらさの程度が分からないため、そういった方達を前列に配置し、ファイルを用意してくださり、とても助かりました。

  A夏は来ぬ

ギターとキーボードで伴奏。
1〜2番まで。セラピストが歌詞指示。
軽快なテンポで、歌詞も短いため、2回繰り返しで行いました。
前述のA4歌詞紙ですが、手元の「ファイルを見る」ということで、顔がうつむきがちになり、発声がしにくいというデメリットがあります。
しかし、ホワイトボードの歌詞が見えないと、いくら前を向いて声を出していても、歌詞が分からなければ、間違えないように歌おう、分かるところだけ歌おうと意識して、声が小さくなってしまうことと同時に、歌った後の爽快感とでも言いましょうか。心地よさも半減してしまうと思います。
そのため、双方のメリットとデメリットを天秤にかけるとやはりこちらの施設でも、今回のように後列でホワイトボードの歌詞紙が見づらい方にはA4歌詞を手元に持って見ていただくほうがいいのではと感じました。


  Bみかんの花咲く丘

ギターとキーボードで伴奏。
1〜2番まで。セラピストが歌詞指示、鈴でリズム刻み。
参加者の方に鈴とマラカスを持って伴奏に参加していただきました。
マラカスは子供用の小さいものですが、大きなものよりも小さいものを多く用意して正解でした。音の大きさではなく、重さです。
1曲振り続けて重いと感じない程度の重さはいいと思いました。
腕の力がある方には、成人用のものも良いかと思いましたが、数は少なめでいいように感じました。
リズムに合わせて、「うん(休む)、パン、パン」と3拍子を刻んでいただきました。
実施後のビデオを見ていて、リズムを間違える方がいなかったのに気づきました。

  C茶摘(2回目)

ギターとキーボードで伴奏。
1〜2番まで。セラピストが歌詞指示、カスタネットでリズム刻み。
引き続き、参加者の方にマラカスと鈴を持って参加していただきました。
個数が限られているので、再配布しました。
マラカスを鳴らすタイミングですが、しっかりと指示したところで音が聞こえてきてました。その中で1,2名、4拍子でマラカスを振る方も見えました。
マラカスの振るタイミングも、ずれると「ん?」と違和感とでも言いましょうか、間違えるとそこを意識してしまうのが心理なので、「この曲は♪〜♪〜♪パン、パン」と音を鳴らすタイミングを指示しながらも、4拍子で鳴らして頂いても、裏拍で鳴らしてもいいことを事前に話すと、スタッフの方も私たち伴奏者やコセラピストも「参加者の方の好きなリズムで音を出しいい」という体でサポートしていただきやすく、参加者も音を出しやすくなるのではと感じました。
自由度を上げると、まとまりがなくなりやすいので、微妙なところですが、試行してみてもいい課題だと思いました。

  D上を向いて歩こう

ギターとキーボードで伴奏。
1〜2番まで。セラピストが歌詞指示、カスタネットでリズム刻み。
こちらも4拍リズムで参加者の方に行って頂きました。
A4歌詞紙を持ちながら、ホワイトボードの歌詞紙をじっとみている方が印象的です。Aメロ、Bメロ、サビ、Aメロというわかりやすい歌詞。歌詞をじっと見なくても歌いやすいこの曲だからでしょうか。
誰もがつい歌ってしまう、そして歌える、「名曲」と言われる由縁を感じました。

  E星影のワルツ(2回目)

ギターとキーボードで伴奏。
1番2回繰り返し。セラピストが歌詞指示。
ここではマラカスなどの楽器は撤収しました。
「今でも好きだ、死ぬほどに〜♪」という最後のフレーズがありますが、歌い終わった後にセラピストの「死ぬほど好きな人になった人はいませんが、皆さんはいらっしゃいますか?」というセラピストのネタふりには、認めたくないですが、さすがだと思いました(笑)。
「死」をイメージするこの言葉。
それをイメージする曲はやはり音楽療法には適していませんが、こういう形で持っていくとそういう言葉の受け止め方も、死という負のイメージではなく、しっかりとその言葉の使われ方を「適切に」参加者に受け止めていただきやすくなりますね。

  F知床旅情

ギターとキーボードで伴奏。
1番2回繰り返し。セラピストが歌詞指示。
A4歌詞紙を見ている方がどんどん少なくなっている気がしました。
また、紙を渡されても前を見て歌われる方が見えました。
前のめりになり、真剣にホワイトボードをのぞき込む姿。
分からないところだけ、チラっと手元の歌詞紙を見ている方が印象的でした。

  G朧月夜(2回目)

ギターとキーボードで伴奏。
1〜2番まで。セラピストが歌詞指示。
歌詞紙を持って、参加者に近寄って見せながら話題を振る。
さすがですね。

  H荒城の月

ギターとキーボードで伴奏。
1〜2番まで。セラピストが歌詞指示。
ここでいったん深呼吸をし、開始しました。
ここから「沈静化」の曲目で、収束に向かっていきます。
情緒あるこの曲。しっとりと・・・。
少し元気がなくなるような雰囲気ではありますが、いい形だと感じました。

  I故郷

ギターとキーボードで伴奏。
1〜3番まで。セラピストが歌詞指示、ホワイトボード回転。
終わりにふさわしいですね。毎回この曲は「安定」しています。
参加者の反応、雰囲気ともにいい形でした。

  J見上げてごらん夜の星を

アルトサックスとベースで伴奏。
オリジナル(Aメロ2回、サビ、Aメロ)です。
サックス、ベースなので単音同士とでもいいましょうか。
音の少なさが目立ちますが、伴奏者が増えれば埋めれるところでしょうか。

  Kリクエスト「星影のワルツ」

  Lリクエスト「荒城の月」

以上です。

今回はセラピストは伴奏に参加せずに行う形でした。
これまで楽器を伴奏しながらのセラピストを行う形でしたが、この形だと「余裕」が出来て、よりその状況に合わせた柔軟な対応、細かい反応を察知した対応が可能になると感じました。
(伴奏や参加者の反応を見て、察知し、曲目変更をかけたり、伴奏を変えたりといったことです。)

参加者の皆様、施設スタッフの皆様、本当にありがとうございました。
次回もどうぞよろしくお願いいたします。

名古屋音楽療法工房

WebサイトURL(QRコード)
 http://www.nagoya-music-therapy.com
http://www.nagoya-music-therapy.com

 お問い合わせ等は「お問い合わせフォーム」、または下記より受け付けております。
お気軽にお問い合わせください。

【E-mail】
info@nagoya-music-therapy.com

【TEL】
080-4540-1293(近藤)
※なお、不在の際は留守番電話に用件を簡単で結構ですので入れていただくよう、お願い致します。

SINCE 2012/01/05

 

mixiチェック  



Clip to Evernote    はてなブックマークに追加