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活動報告report

介護老人保健施設での音楽療法活動                  文責:宮島活動報告写真

 2012.12.12

 1212日(水)に介護老人保健施設にて音楽療法活動を行いました。 実施時間は1時間、参加者は約30名で、今回で4回目となります。参加メンバーは前川、宮島、Aさんの3名です。 クリスマスが近いということで、サンタの衣装で。前川氏とAさんはシャイなため、帽子でクリスマスムードを見た目だけですが演出しました。それでは曲目プログラムに沿って、実践の振り返りを個人的意見と併せて書いていきます。

主セラピスト:宮島
コセラピスト:前川、Aさん


【挨拶、導入】
 雑談をしつつ、自己紹介と簡単に流れを説明し、早速開始です。 ※手持ちマイク使用


【準備体操、発声練習】
 前川氏主導にてキーボードの音に合わせて発声練習を実施。


@冬景色
 しっとりとした曲の導入として、とても良かったように思います。音程も高すぎず、低すぎず。
「たーだ、みずとりの、こーえはしてー」のところで参加者の声が多く大きく聞こえてきました。



A雪の降る町を
 歌い出しのところで、男性のビフラートが効いた声が一際目を引きます。
1番を2回繰り返す形でしたが、2回目の途中で参加者の声があまり聞こえない気がして、伴奏をやめ、手をたたいてテンポを取りつつ、歌詞を指さししたりしました。
 しかし実施ビデオを見ると、しっとりと皆様歌われており、声の音量は小さくも、声の数は多いように感じました。
私の性格上の問題もありますが、常に楽しさ=声の大きさを重視するあまり、盛り上げようとする傾向があるように客観的に見て取れました。
この曲は、しっとりと“抑揚”をつけて歌うと雰囲気もでて、気持ちも曲に入り込めると思うので、これからは一つ一つの曲を理解して、その曲に適した状況対応、伴奏ができるように努力します。



B旅の夜風
 こちらもゆっくりとした一曲です。こちらもやはり全曲同様の伴奏や対応をしていました。
皆様の声はとてもよく聞こえます。特に「ほろほろ〜鳥よ〜」のフレーズで気持ちよく歌われる姿が多く見られました。


C北国の春
 この曲から小楽器を用いて伴奏に参加していただきました。楽器を鳴らすタイミングを確認するため、歌いながら練習しました。
その実施動画を見ていて、このように思いました。

1.歌の前半部分は楽器を鳴らすことに集中しつつ、セラピストに動きを合わせる。
2.中盤、歌に意識が向きながら、小楽器はそのまま鳴らす《楽器を鳴らす(動作)≦歌》。
3.終盤、歌に集中、小楽器はそのまま鳴らすか鳴らさない《楽器を鳴らす(動作)<歌》。

 要するに、楽器を鳴らすこと(動作)の練習目的から歌を歌うことへ意識が向けられ、よって歌う楽しさを獲得できたように見て取れました。
これは心理学でいう内発的動機づけに近いもので、この場面では活動動機や感性動機が深く関与しているように思いました。
楽器を鳴らす興味(好奇動機)や鳴らす動作(活動動機)から、歌を歌うこと(感性動機)に比重が変わっていく。
この様子は見ていて当たり前のように見えますが、私はとても神秘的に感じました。
そしてその2つは、どちらかが限りなく0に近づきつつも、0にならないようにも感じました。


【補足】※内発的動機づけ:内発的動機づけとは好奇心や関心によってもたらされる動機づけであり、賞罰に依存しない行動である。これは特に子供は知的好奇心が極めて高いために幼児期によく見られる動機づけである(≠外発的動機づけ)
※感性動機:感覚器官の活動を求める動機で、外からの刺激量との関係が深い。
※認知動機:思考活動を求める動機で、受け取った情報の関連づけや処理整理に関係が深い。
※好奇動機:思考活動を求める動機で、「新しさ」を認知する度合いとの関係が深い。
※活動動機:身体を使う運動を求める動機で、それ自体が喜びの対象となる。



D明日があるさ
 続けて小楽器を使用しました。出だしでつまずいてしまい、良い雰囲気が崩れてしまいました。音合わせをしていなかった曲であったため、次回はこの曲を再試行していきたいと思います。


Eスキー
続けて小楽器を使用しました。施設スタッフの方が事前に楽譜を用意していただいたのですが、「スキーの歌」の楽譜でした。そのため、1回ピアノ伴奏に合わせて、歌い出しで歌詞を声に出して練習していただきました。急遽の対応でしたが、全曲よりも良い雰囲気で行えました。


F銀座カンカン娘
 続けて小楽器を使用しました。伴奏前に「これ好き。」という声があがりました。皆様大好きな曲ですよね。
出だしからテンポにのって楽器の音がよく聞こえました。男性の方でA4の歌詞を手に持っていって歌われている方が見えましたが、テンポに合わせて、上下に紙を振っている姿が印象的でした。


Gお正月
 続けて小楽器を使用しました。この曲は本当にテンポが良いですよね。
楽器を鳴らしつつ、歌いながら行ってきましたが、さらに顔を上下にテンポに合わせて振る方が多くみられました。とても良い雰囲気でした。


H星の界
 小楽器を回収して、ここからは歌のみで行いました。星の界と書いて「ほしのよ」と言います。
アメリカの讃美歌で1800年代、明治43年に日本にきた曲。曲名だけ聞くとピンとこないですが、メロディーを聴くと、どこかで聞いたことがある音ではないでしょうか。
皆さんご存じか内心不安でしたが、AやBのように声の数も思ったより多く、しっとり歌われていました。


I故郷
 安定の歌声です。「わすれがたき ふるさと」の歌い出しで1拍テンポがずれやすいので、しっかりとセラピストが歌っていきたいと思います。
気持ちよく歌われている方が数名いらっしゃいました。
少しテンポが速くなったり、遅くなったりしていましたが、それほどに曲に気持ちが入り込んでいたと思います。とても嬉しく感じました。


J六月の子守歌
 しっとりとした一曲です。この曲は皆様ご存じない方が多く、聞く形で行いました。
マイクが手持ちマイクで、私の聞き取りにくい歌声に合わせて伴奏しました。
途中で参加者の反応が少し悪いように感じ、1番を歌い終わったあたりで止めました。最後まで行った方が良かった気がしますが、完全に歌を覚えていなかったこと。
そういった要因が重なり、良い形とは言い難い結果となりました。


Kジングルベル
 「野を越えて 丘を越え」の訳のほうで歌いました。翻訳者によって歌詞が変わるこの一曲。小楽器を持って歌った方が、より良かったかなと感じました。

以上です。
4回目となる音楽療法活動。 今回も多くの方にご参加いただき、 本当にありがとうございました。
またスタッフの方には小楽器の受け渡しや参加者と一緒に歌や楽器のサポートをしていただき、スムーズな進行で楽しく実施することができました。
ひとえに、皆様のおかげです。ありがとうございました。


名古屋音楽療法工房

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