2014年9月19日から21日までの3日間、日本音楽療法学会の学術大会に前川氏と参加してきました。そこで受けた1-D『認知症中期から末期の患者のケアにおける音楽療法』 のメモのようなレポートを書きました。アリシア・クレア名誉教授が話している中で重要と思われる言葉をメモしたモノです。皆様にお見せするようなレポートでもなく、未完成の状態で恐縮ですが、どのようなことを聞けるのか、参加していない方達が知れるものとなり、興味が沸いていただければ幸いです。
認知症の初期から末期の各段階での対象者の生理的または心理的状態とともに音楽的特徴や背景を確認し、各段階での研究成果について臨床ビデオや統計、効果について学びました。
まず認知症の初期から中期前半については、日常会話で長期記憶の想起も早い状態だが、高度なADLは困難でうつ状態と無力感、家族の不安が強いといった傾向。
ある経験の最中に音楽が聴こえることによって「音楽とともに経験は記憶される」。
思い出は多様で多面的であり、感情が強い結びつきをもたらし、また触覚や嗅覚、その他多くのものと結びつく。それはポジティブでもネガティブでもありうる。
覚醒度の定義は、生理的、心理的な状態で、目覚めているということ、そして刺激に反応すること。
刺激を脳でプロセスできないことが多いことから、認知症の方は覚醒度が不十分な場合がよくみられる。その結果、刺激に無反応なこと、またこの反対も起こる。
覚醒度が低い場合は、音楽によって覚醒度を下げることができる。
認知的機能を促進させるために、現在の環境、初めの覚醒状態。音楽的要素は覚醒と一致させる。
音楽的、臨床的な要素を操作し、音楽経験への関与と最適の覚醒度と継続的な注意集中を行うことにより、より望ましい方向へ持っていく。
手続き記憶を促すための音楽
食べることを忘れてしまうとき、音楽を合図として使う。
アメリカでは音楽療法は結果が重要視される。
●初期から中期の前半の認知症について
簡単な受け答えなら可能。日常会話可能。高度なIADLなどは困難な状況。
なじみのある曲。歌えたり、弾けたり、アンサンブルも可能。
音楽は脳全体を活動的にさせるために、よい結果が生まれる。
以前に学んだなじみの曲を用い、表記(記譜)を合図として用いると効果的。
●後期の認知症について
運動野への脳の萎縮がすすむことによって、歩くことができない、歩くことを忘れてしまうなど身体的な障害が起こる。
メトロノームといったリズムを用いることによって規則性を生む。
音楽は運動的な記憶でなされる。
機能的促進する方法
機能というのは個人が認知的に会話面で言語の面で、動きの面で感情的社会的、心理的な機能があります。