2012.05.12
昨日5月11日(金)にオーネスト戸田川へ副代表の前川氏と教授の音楽療法にコセラとして参加してきました。
今回の音楽療法ですが、教授の音楽療法を実際に見れることはかなり貴重で、事前に2つ、見るポイントを決めて行きました。
それは「音楽療法の専門性」と「その違い」についてです。
名古屋音楽療法工房(以下、工房という)で行っているものと、どういった違いがあるのか。
どういったところに「音楽療法」という専門性があるのか。
そこに重点をおいて、先生(主セラ)と卒業生のAさん(コセラ)に着目し、動きと表情などを観察しました。
補足:主セラとは、音楽療法の主体・主導となるセラピストで、司会進行役みたいな役割です。
コセラとは、コセラピストの略で主セラの補助的な役割を担い、ホワイトボードに貼り付ける歌詞の紙をタイミングよく貼り替えたり、参加者のそばでサポートしたりします。
以下、企画書ですが、おおまかな流れのみ記載します。
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音楽療法セッション
主セラピスト:先生
伴奏:卒業生1名(キーボード)
コセラピスト:Aさん、卒業生1名(前川帆崇、宮島久幸、5月11日のみ)
1.深呼吸
2.発声
3.歌と体操
4.歌唱
「茶摘み」(G Major)
「船頭小唄」(A Minor)
「富士の山」(G Major)
5.歌唱と打楽器演奏
「青い山脈」
「高原列車は行く」
「月がとっても青いから」
「ズンドコ節(海軍小唄)」
6.ミュージックベル合奏
「あの町この町」
7.終りの歌
「夕焼け小焼け」
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今回は先生とAさんに着目していたため、まずはAさんという方についてご紹介をします。
名古屋音楽大学の卒業生で、先日、先生に工房の音楽療法についてアドバイスを受けに行ったときに、音楽療法の参考にと見せてくれた実施動画に主セラとして出ていた方で、非のうちどころがないほど、見事な音楽療法を実践していた方です。(以前のスタッフブログにもでています)
「歌のおねえさん」という言葉がしっくりくるほど、表情豊かで、優しい声で聴いているだけで癒されます。
ほほえまれると、こっちまで顔の筋肉がゆるんで、クスっと笑ってしまう。
知識や教養はもちろん、人間性の高さがないと、あの見えない空気感や雰囲気はでないことでしょう。
という、私が尊敬する方でもあります。
当日、Aさんが参加されるとは知らず、来たときは「やった!間近で見れる!」と睡魔もふっとび、テンションがあがりました。
それでは音楽療法の開始です。
5〜6人の参加者を2グループ、30分程度のセッションを行いました。
1グループ目は5名で全員女性。 2グループ目は6名で、1人男性、他女性。
上記、企画書通り進行していましたが、途中途中ではしょったり、時間に併せて対応しているところは、工房と同じでした。 また企画書を見ただけでも分かったことですが、工房ではほとんど前川氏がキーボードで私がギターを常に持って伴奏しています。
しかし先生の音楽療法は、ギターを持ったり、何も持たず手拍子したり。 またコセラを前に出させて、ミュージックベル(ハンドベル)を参加者に手渡し、コセラの動きに併せて、参加者がベルを鳴らす。
それをキーボードの伴奏に合わせ、先生が歌いながら、コセラ、参加者に指示を送る。 コセラとして参加していてましたが、このときだけは参加者のような感覚でした。
ここではっきり気づいたこととしては、「全員で楽しむこと」。 セラピストもコセラピストも「参加者」であること。 そういった意識を理解したと同時に、その大切さを知ることができました。
次には、Aさんの動き。
今回はAさんもコセラとして参加、私の左隣に位置をとっていました。
途中途中で、私と配置を入れ替わりましたが、違和感なくいつの間にか自然に入っていたり、1人の参加者に対して、左右からコセラ2人でサポートしたり。
これまでは、コセラが対象とした参加者に対して1人つけばいいという頭でいましたが、2人でサポートしたり、コセラを入れ替わるといった発想がなく、本当に勉強になりました。
自分が歌っていて、左右からコセラで二人で歌われたら、普通歌わなきゃならない威圧感とでもいいましょうか。
そういう心的状況に陥りやすいと思いましたが、全く参加者がコセラを気にしない先生の「引きつけ」はさすがとしか言いようがありませんでした。
※今回、参加者は隙間なく弧の字型に位置していましたので、コセラは左右後方からの支援でした。
というわけで、音楽療法の専門性とその違いについて。
今回、工房の音楽療法?音楽レクリエーション?と先生の音楽療法の違いについてを見極めたかったのですが、まだよく分かりません。見えてこないといったほうが適切でしょうか。
はたして工房がやっている音楽療法は、音楽療法といえるのか、音楽レクリエーションなのか・・・
ここは知識不足で、今回のセッションで気付けなかったこと、見逃していることは多々あると思います。
しかしながら、先生の音楽療法と工房の音楽療法は、似て非なるものでもあるような感覚を持ちました。
分からないことが多いから楽しい。
心理学もそうですが、答えがないから、追求し続けるんだと思いながら、楽しんでいます。